梨大院生が語ったAIの近未来

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梅雨のさなか、スモモの収穫を手伝う。この時期のスモモは「大石」という種類で、小ぶりでほどほどに酸っぱくおいしい。育てる時期がはやいので、他のスモモに比べ虫がつく率も少なく、育てやすいスモモといわれる。

そのとき一緒に作業した、梨大院生との会話が印象に残った。

彼は梨大の大学院で、情報セキュリティー、AIの研究してるそうで、来年には東京へ就職が決まっているそうだ。今年の梨大は、丸一年テレワークが決まったので、大学に行くことはほとんどないとのこと。

出荷用のスモモは熟す期間を考慮して、青いものを選ぶ

AIの研究をしてるということで、会話のきっかけは、こうだった。

「AIはそのうち人体に近くなってきて、人間の免疫と同じように、軽めのコンピューターウィルスを投入し続けたりすれば、それを制御する方法を学んで、やがて新しいウィルスが進入しても、抗体反応みたいに自動的にウィルスを弾いたりするようになって、将来的には、セキュリティーソフトなんていらなくなるんでしょうか? 」

こんな感じの質問をしたと思う。

おそらく彼は、私に合わせて話題に同意するだろうし、そのままやりとりを流すつもりだった。しかし、予想に反して、寡黙なその彼が、珍しく大きい声で、こう断言する。

「いえ、その可能性はありません」

「AIは、過去の知識の蓄積でしかないので、何か新しいことをする能力はまったくありません。万能のように考えておられる方が多いですが、今後、何か新しい発明でもされない限り、AIが人間に変わって驚異的に発達するような可能性は、今のところないです。2030年問題とか、AIが人間の仕事をとっていくとか、そういうのは大げさだと思います」

ちょっとしたやりとりだったが、彼の語気に、研究の実感から来たであろう迫力のようなものを感じた。

私など、ネット情報を鵜呑みにして、AIが人類を管理みたいな未来のイメージへ一気に妄想が飛んでしまうわけだが、彼の口ぶりでは、少なくとも今の段階では、まだ、そこへは地続きは繋がっていない感触だった。

これは熟しすぎて売れないスモモ。こういうのが一番美味かったりする